ボヘミアガラスの伝統と歴史

プラハ宮廷の宝石細工職人、キャスパー・レーマンの功績

<カットとグラヴィールの導入>
ルドルフⅡ世のために集められた宮廷の宝石細工職人のうち、キャスパー・レーマン(Caspar Lehmann)は、皇帝の要望に応え、初めて、それまでは宝石細工の手法であったカットとグラヴィール(エングレーヴィング)をガラス装飾に持ち込みました。カットが、さまざまな工夫によってガラスをダイヤモンドのように輝かせ、またグラヴィールは、水晶に陰刻(逆浮彫り)するように、ガラスに繊細華麗な彫刻を施しました。レーマンの功績はボヘミア・ガラス史の一ページを書き換えたといっても過言ではありません。後に彼は、「プラハ工芸学校」を創設し、弟子の育成に力を尽くし、ルドルフⅡ世より功績を称えられて貴族の位に列せられました。レーマンによる、ボヘミアのカットグラスとして最も古い作品例として知られている、オーストリア貴族のための紋章入りビーカー(広口コップ)は、現「プラハ工芸、産業美術館」に展示されています。
rudolf-44.jpg※出張と特別コラム掲載の為、「ボヘミアガラスの伝統と歴史」ブログ更新が遅れて申し訳ございませんでした。「ルドルフⅡ世時代、発展する錬金術とクリスタル・ガラスの関係」ブログからの続きになります。